兵庫県(そばめし県)にいると言われる妖怪一覧

  • オクリイヌ

動物の怪。送り犬。オクリオオカミと同じ。加東郡では送り犬は人が躓いて倒れたら食おうと思ってついてきたが、幸い転ばずに家まで帰りつくと、送ってもらったお礼の草鞋片方を口にくわえて帰ったと伝える。オクリイヌ、オクリオオカミの話は全国にあり、種類も豊富だが、旅犬は群れをなして恐ろしく、送り犬(狼)はそれを防御してくれるという説と、転べば食おうと思ってついてくるという二種類が主で、この加東郡の例はその中間といえる。

 

  • オサカベ

家にいる怪。長壁。姫路城中にいた。天守櫓の上層にいて、年に一度、城主のみが対面する。あとは恐れて人は登らない。形を顕すときは老婆となる。十八歳の侍が火を借りに来たときは十二単で、城主が来たときは座頭に化けて出たという。

 

  • カクレババ

道の怪。隠れ婆。神戸市平野町。夕方に隠れんぼをしていると、路地の隅や家の行き止まりに隠れ婆がいて、つかまえていくという。

 

  • カッパ

水の怪。河童。佐用郡。駒引きに失敗、手綱を身に絡めたまま厩につながれた。猿に似ているが猿に非ず。頭上に窪みがあり、赤髪は赤松葉のようだった。主人は川で折々人を捕るのはこやつと腕を切った。河童は命乞いし、骨接ぎ薬を教えた。法師に化けて馬を水底に引き入れようと手綱をたぐり、肛門に手を入れて肝を掴み出そうとした。駆け出した馬に引きずられて逆に捕らえられ、詫びてこの里の人や牛馬を害さないと約束して許された。

 

  • ゴメンバシ

道の怪。西宮市西浜にある橋。夜ここを通る人は「ごめん」といわないと川中に投げこまれることがあった。いまでも「ごめん」といって通るという。

 

  • サスガミ

家にいる怪。佐用郡石井村で便所神のこと。この神に行き会うと転んで気絶することがある。

 

  • シズカモチ

音の怪。夜中にコツコツと餅を搗くような音がする。人によって聞こえ、聞こえた人は富裕になるという。

 

  • シリヒキマンジュ

水の怪。河童。多紀郡大芋村でいう。

 

  • スナカケババ

道の怪。砂掛け婆。西宮市今津のとある松の木に出た。晩にそこを通ると、狸が頭の上から砂を掛ける。ただし砂を掛ける音をさせるだけで砂は見受けないという。

 

  • タカニュウドウ

道の怪。高入道。西宮市では狸とも狐ともいう。不意に目前に現れ、見上げると身長は天まで達するほどある。物差しを持っていって一尺、二尺、三尺とそれを計ると消える。

 

  • タヌキビ

動物の怪。狸火。川辺郡東多田村。うなぎ縄手に燐火があって、狸火といった。この火は人の形を表し、ある時は牛を引いて火を携えていく形をしていた。これを本当の人間と心得て、煙草の火を借りたり、話をしても、尋常の人間と変わりなかった。

 

  • ツジノカミ

道の怪。三原郡沼島村(南淡町)で、四辻に出る怪。

 

  • ナンドババ

家にいる怪。納戸婆。納戸の中にいる怪。

 

  • ネコノカイ

動物の怪。猫の怪。夜半、山でぬたまち(夜行する動物をその通り道で待ちぶせする猟法)をしていた狩人のところに母がたずねてきた。これは化け物にちがいない、もし本物の母ならば自分も死のうと心にきめ、その母を弓で射た。血をたどっていくとわが家。しかし母は変わりなく、簀子の下に母の飼い猫が死んでいたという。

 

  • ヒダルガミ

山の怪。山の峠などで人に飢餓感を覚えさせる。