兵庫県(そばめし県)にしかない少し変わった条例

大阪国際空港と共生する都市宣言(伊丹市)

昭和39年6月1日、大阪国際空港に初めてジェット機が就航し、増え続ける騒音は市民の静穏な生活を脅かした。

 

静かな空を取り戻すための運動は大きく広がり、昭和48年10月1日、わたしたちは「大阪国際空港撤去都市」を宣言した。

 

ときには寝食を忘れた、30年をも超える人々の真摯な努力と騒音軽減への取組みが、平成2年の「存続協定」を経て、今日、ようやく空港との共存・共生への道をひらこうとしている。(一部抜粋)

 

手のひら返しの都市宣言か?

かつて「撤去」まで望んだ空港と、なぜ「共生」することにしたのか。まるで、別れようと思って離婚調停を続けていたのに、結局ヨリを戻しちゃった、お騒がせな夫婦のような感じですが、そこには決して逆らえない時代の流れがあった模様です。

 

1960年代、住宅地の上空スレスレを飛び交う大型ジェット機の轟音に悩まされた地元住民は、もう我慢ならないと、「夜間飛行差し止め」「過去に受けた騒音被害の賠償」「将来受けるだろう騒音の損害賠償」を求め、国を相手どって裁判を起こしました。

 

最高裁まで争って認められたのは「過去の損害賠償」だけ。それでも、飛行機がまき散らす騒音の迷惑さが一部ながら断罪されたことを受け、国や地元自治体が力を合わせ、住宅防音工事への助成、引っ越す住民への補償などの対策を講じていったのです。

 

新たな本拠の関西国際空港は、騒音問題を意識し、海の上を通って離着陸するルートを徹底。利用客の流れは関空や神戸空港へ大きく傾き、伊丹空港の機能は縮小しています。

 

航空会社から徴収できる税金も減り、空港関連企業のリストラ問題も心配される。羽田空港のハブ化(拠点化)に続き、橋下徹大阪府知事は、関空を西日本のハブにすることを望んでいます。伊丹市は、空港の「撤去」も「共存」も望みどおりにいかない、辛い立場に置かれているのです。

 

核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議(神戸市)

使いやすい港、働きやすい港であるとともに、「市民に親しまれる平和な港でなければならない」と宣言し、神戸港に寄港しようとする外国軍艦に、核兵器を搭載していない事実を示す証明書の提出を義務づける、いわゆる「非核神戸方式」を定めた決議です。

 

この決議以来、アメリカ海軍の軍艦は神戸へ1隻も入れず、ほかの外国籍の艦船も、寄港する際は、非核証明書を示してきました。ただ、1998年に「核の積載はない」と日本外務省に押し切られる形で、カナダ艦艇1隻が証明書なしで入港したのが唯一の例外です。

 

沖縄が日本へ返還された際、アメリカとの間で核持ちこみの密約が交わされていた疑いについて、民主党政権が調査に乗り出している昨今、非核三原則のひとつ「持ちこませない」の実践のあり方が問われています。

 

いのししの出没及びいのししからの危害の防止に関する条例(神戸市)

ファッション都市宣言を30年以上も続けているオシャレシティ神戸で、いのしし? と不思議に感じられますが、港町神戸は山地にも近く、いのししが頻繁に住宅地に現れるようです。

 

そこで「いのしし条例」は、市長が定めた規制区域内で、いのししに餌付けをしたり、いのししが食べそうな生ゴミをみだりに捨てたりする行為を禁じています。

 

ブライダル都市宣言(高砂市)

夫婦繁栄・長寿の象徴「尉じようと姥うば」のいわれの発祥の地とされる高砂市で、男女が夢をかたるまちをイメージして行われた宣言。

 

ただ、ブライダルを単に結婚という意味にとどめず、広く「愛・長寿・和合・平和」をテーマに掲げ、子どもから高齢者まで、夢があり、健康で明るく生きがいのある生活を送れる街づくりを推進しています。

 

地に足のついた伝統的な印象で、とても好感が持てますが、縁結びで知られる高砂神社で、独身の男女100人ずつを集め、「キャンドル ・カフェ」という、真剣な出会いを演出する大規模なイベントを開催するなど、流行の「婚活」もしっかり押さえています。

 

豪邸条例(芦屋市)

正式名は「地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例」。
西日本を代表する芦屋という高級住宅地のイメージを守るべく、指定区域では、敷地面積400平方メートル以上の一戸建てしか新規建築を認めず、高さも10メートル以下と定め、マンションの乱立を食い止めます。